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教員氏名 髙良 秀昭
ローマ字 KOURA, Hideaki
所属学部 人間科学部
所属学科 児童・幼児教育学科
職名 教授
主要担当授業科目 障害者教育総論Ⅰ、障害者教育総論Ⅱ、特別支援教育の理解、知的障害者教育、特別支援教育論
専門分野 特別支援教育学、認知心理学、行動分析学
学生の皆さんへ 将来の社会そして教育界を担う立派な大人・教師になってください。そのためには、日々いかに学び、成長するかが大切です。
最終学歴 兵庫教育大学大学院学校教育研究科障害児教育専攻
取得学位 学校教育学修士
職歴 福岡県立学校教育職員、宗像市教育委員会非常勤職員
所属学会名 日本特殊教育学会、日本教育心理学会、日本発達障害学会、日本自閉症スペクトラム学会
教育研究社会活動 福岡県立特別支援学校校長会副会長等役員、福岡県立知的障害教育校長会会長、九州地区知的障害教育校長会理事、福岡県身体障害者体育大会運営委員、福岡県特別支援学校知的障害教育校体育連盟会長、福岡県立視覚障害教育校長会会長、福岡県視覚教育校体育連盟副会長
受賞等 特になし
研究活動の概要

研究活動(1)

■研究題目

授業実践力指導プログラムが教育実習後に及ぼす効果
-特別支援学校教育実習の事前事後指導を通して-

 

■研究成果の要旨

特別支援学校での教育実習を行う学生が、教育実習に積極的かつ効率的に自信をもって臨めるように、障害のある児童生徒の実態把握から指導目標の設定、合理的配慮の提供並びにそれに基づく評価に至るまでの授業実践力指導プログラムを適用し、その効果を指導の事前事後及び教育実習後を通して検討することを目的とした。指導プログラムは、①児童生徒の実態把握、②指導目標の優先順位の決定、③指導目標に対する合理的配慮及び指導の手立ての検討、④目標設定に基づく評価の設定と実際で構成されたものを用いた。また、対象は、特別支援学校教諭免許状の取得を目指す4年次学部学生32名であった。その結果、対象の大半の学生が肯定的な評価を行い、特別支援学校での教育実習に対する不安軽減に繋がった。この状況は、教育実習を経験した後に一層高まった。一方で、経験不足や実習期間の短さもあり、実習生が児童生徒の実態把握から指導目標、評価の設定に至る技能を十分に獲得できないままに実習をする状況が生じることにより、一部の学生に困惑が生じた結果も垣間見られた。これらの結果に、コロナ禍等の状況により教育実習前に児童生徒との十分な接触経験の機会を確保できないことなどにも考慮して、特別支援学校教育実習における事前事後の指導の在り方について考察を加えた。

 

■研究成果の報告

九州女子大学紀要第60巻1号

 

■キーワード

特別支援学校教育実習、実態把握、目標設定、合理的配慮、評価、授業実践力

 

 

研究活動(2)

■研究題目

グリットと特別支援学校教員採用試験との関係に関する一考察

 

■研究成果の要旨

この十数年来、非認知能力が注目されている。非認知能力の一つにグリット(grit)がある。グリットは目標に対する情熱、一貫性、粘り強さと定義される(竹橋(2021))。グリットに関する竹橋・樋口・尾崎・渡辺・豊沢(2019)の先行研究によると、教育学部生においてはグリットの得点が高い程、教員採用試験の一次試験(筆記試験等)及び二次試験(面接試験等)に合格し、教員として採用されやすいことが示されている。本研究においては、特別支援学校教員免許状の取得を希望している学生に関しても竹橋等(2019)の先行研究が追認できるか否かを確認することを目的とした。その結果、特別支援学校教員免許状の取得を希望している学生については、グリッドの得点と教員採用試験の合否との間には明確な因果関係がないことが判明した。この結果に関して考察を加えた上で、特別支援学校教員採用試験及び特別支援学校教員免許状取得に関する指導の在り方について整理した。

 

■研究成果の報告

九州女子大学学術情報センター研究紀要Vol.6

 

■キーワード

グリット、特別支援学校教員採用試験、特別支援学校教員免許状取得

 

 

研究活動(3)

■研究題目

音声言語の獲得と聴覚をはじめとした諸機能の発達との関係性についての再整理
- 言語のもつ諸機能との関連を踏まえて -

 

■研究成果の要旨

一般に、音声言語の獲得が十分でないことを言語障碍という。本研究においては、言語障碍の子どもたちの現実の状態、特にその多様性に鑑み、言語の諸機能との関連を踏まえた上で、音声言語の獲得と聴覚をはじめとした諸機能の発達との関係性について再整理することを目的とした。考察として、例えば聴覚に障碍のある子どもの場合、聴覚及び言語の発達の特性から、特に早期発見と早期からの適切な対応がなされないと、音声言語の獲得のみならず、言語の発達にも大きな影響が生じて、音声言語による機能の獲得・発達にも波及する。その結果、コミュニケーションや人間関係の形成に支障をきたすことになり、ものごとの理解や諸概念の形成等の学習の側面にも困難が生じ、様々な発達の側面からも望ましくない状態が生じることになる。このような状態を回避するためには、子どもが保有する聴覚を補聴器や人工内耳等で補償して、保有聴覚を十分に活用するとともに、興味・関心をもって、楽しく取り組める遊び等を工夫しながら、様々な経験を積めるようにして、言語の発達を促すという早期からの対応が不可欠になる。これらの対応を通して、言語による機能の獲得・発達を保障することもはじめて可能になる。このような対応は、他の言語障碍のある子どもに対しても積極的に行われなければならない。

 

■研究成果の報告

九州女子大学学術情報センター研究紀要Vol.6

 

■キーワード

言語障碍、音声言語の獲得、聴覚の機能、言語の機能

 

 

研究活動(4)

■研究題目

特別支援学校教育実習における事前指導に関する一考察
-児童生徒の実態把握や合理的配慮の提供の実践を通して-

 

■研究成果の要旨

特別支援学校での教育実習を行う学生が、事前指導に積極的かつ効率的に臨めるように、障害のある児童生徒の実態把握から指導目標の設定、並びにそれに基づく評価に至るまでの指導プログラムを適用し、その効果を検討することを目的とした。指導プログラムは、①児童生徒の実態把握、②指導目標の優先順位の決定、③指導目標に対する合理的配慮及び指導の手立ての検討、④目標設定に基づく評価の設定と実際で構成された。本研究の対象は、特別支援学校教諭免許状の取得を目指す4年次学部学生32名であった。当該プログラムを導入していない前年度の履修生32名を比較のための統制群とした。その結果、対象群の大半の学生が肯定的な評価を行い、特別支援学校での教育実習に対する不安軽減に繋がった。一方で、コロナ禍において、教育実習前に実習生が児童生徒との十分な接触体験機会を確保できないために、児童生徒の実態把握から指導目標の設定の技能が不十分なままで実習に入る状況等も起こりうることにより、学生に困惑が生じて事前指導の成果が現れにくいことも判明した。これらの結果から、特別支援学校教育実習における事前指導の在り方について考察を加えた。

 

■研究成果の報告

九州女子大学紀要第58巻2号

 

■キーワード

特別支援学校教育実習、指導プログラム、実態把握、目標設定、合理的配慮、評価

 

 

研究活動(5)

■研究題目

特別支援学校教員養成課程の学生における専門性の意識の変容Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
-学年ごとの意識の変容を介して-

 

■研究成果の要旨

特別支援学校教員養成課程で学ぶ学生の特別支援教育に関する専門性の意識が、どのように変容して行くのかを経年変化で捉えることを目的とした。研究の対象は、特別支援学校教員養成課程で特別支援学校教諭免許状の取得を目指す1年次学部学生45名とし、専門性の意識の変容を経年変化で捉えた。学習に際して、特別支援教育の専門性に関する意識の変容をみるために、臼井・高木(2012)を参考に、特に知的障害特別支援学校における指導に必要な配慮事項等を加え、特別支援教育の専門性に関するアンケートを作成し、それを実施して得られた結果を学年の経過に合わせて比較、検討した。その結果、大半の学生が特別支援教育に関する専門性の重要性を認識しており、特別支援学校教諭免許状の必要性についても高い意識をもっていることが分かった。この状態は、2、3、4年次生になっても大きな変容は見られなかった。また、特別支援教育を担う教員に求められる具体的な専門性についても特段に大きな変化はなかった。横断的な先行研究によると、教育実習の前後及び実際に教職に就いた後に、ある程度の意識の変容が見られるとされていることから、今後いかなる変容が現れるのかを、引き続き縦断的に追跡調査する必要がある。

 

■研究成果の報告

九州女子大学学術情報センター研究紀要Vol.5
九州女子大学学術情報センター研究紀要Vol.6
九州女子大学学術情報センター研究紀要Vol.7

 

■キーワード

特別支援教育実習、学生、専門性、変容

生年 1957年